2010/08/31

chopin i jego europa 2010



8月中はほとんど毎晩この音楽祭に通っていました。贅沢な毎日。

毎晩、素晴らしい演奏家から刺激をもらい、感動し、音楽を純粋に楽しむ時間でした。




今日は、その中でも特別に、思い出に残る日になりました。

演奏予定だったピアニストのK.Bezuidenhout(べズイデンハウト) が急病で来れなくなった代わりに、Beethovenのピアノ協奏曲2番の1楽章をM.Joao Pires(ピレシュ)が、2.3楽章をM.Argerich(アルゲリッチ)が演奏し、その後Mozartの4手のソナタKV381を連弾という、信じられないようなサプライズでした。しかも会場のピアノはピリオド楽器(1849年製エラール)で、おそらくアルゲリッチがフェスティバルで演奏するのは初めてという、とてもレアな演奏会でした。

つい先日、2人のピアニストそれぞれがchopinのピアノコンチェルト1番2番を弾いて、全く音楽性の異なる個性だなと感じていたにもかかわらず、Beethovenのコンチェルトでは、お互いに尊重し合って楽章をシェアして演奏し、Mozartのソナタでは息もぴったりの鮮やかな演奏でした。演奏が終わった瞬間、会場のお客さんがスタンディングで拍手をし、みんなが笑顔!!!

急な事態だったはずなのに、その音楽の完成度の高さにはびっくりでした。本当の“レパートリー”でない限り、こうゆうことはできないのですが、この偶然の事態を楽しめる余裕さえ感じました。楽しむことをわかっているって素敵なことだと思います。

いつもCDで聴いていた大好きなピアニストが間近で演奏してくれる幸せ、そして今という時を一緒に過ごせる幸せ。音楽はその人そのものだと感じる瞬間の幸せ。

今日は、心から幸せでした。