2015/06/03

ソロリサイタル@王子ホール


先日、王子ホールでのソロリサイタルを無事に終えることができました。
会場いっぱいのお客様、ここまで支えてくださったすべての方々に
心より感謝申し上げます。

  
  先生方からマネージメントのプロアルテムジケさんを紹介していただいてから
このリサイタルまでには 多くの時間をかけてきました。
 
自分で作曲家や作品を選び、
演奏していく中で本当に自分に合っているかどうかを吟味し、
並べた時のつながりや時間の長さを考え、
プログラムを練りました。
 
随分削ぎ落としたように見えるプログラムですが、
1曲1曲に思い入れがたっぷり詰まっており
今回演奏できて本当に幸せでした。
 
チラシのデザインやコンセプトをデザイナーさんと共に考え
 
曲目解説を書くために様々な本を読み、また新しい発見がありました。
 
チラシやプログラムノートの校正、
コンサートの打ち合わせ、リサイタルのご案内やチケットのやりとり等
 
演奏会にかかわるすべてのことに関わり
良い演奏の為に日々練習を重ねる。
 
プログラムを弾き込み、
ピアノと、自分と向き合う時間
 
音楽はその時の演奏がすべてだと思います。
 
でもそれと同時に、そこまでの過程や積み重ねでできるものも、
音楽に表れるのだと感じました。
 
音楽のために
自分で考えられるすべてをやろうと
リサイタルをすることを決めた時に心に決めて、
今回それが果たせました。
 
 
演奏について、卒業してもずっとご助言をくださる恩師の先生方、
プロフェッショナルなサポートをして下さったプロアルテムジケの古市様、
私のやりたいことを、あたたかく、時には辛抱強く支えてくれた家族、
そして何より応援して下さる方々のおかげで、ここまで来れました。
 
 
 



本番は緊張もしましたが
後半にいくにつれて、少しずつ解放されていったような気がします。




 
勿論、いつも通りにはいかないところもありましたが、
即興的に感じたり、その場の演奏をよく聴きながら 音を創っていくこと
それが生の演奏の面白さなのだと思います。




モーツァルトのソナタK.533/494は対位法的に書かれていて、
長さもあるので難しいソナタなのですが、
モーツァルト独特の喜びに溢れた生き生きしたリズム、
穏やかな表情の旋律、
複雑で深遠なハーモニー、
傑作のシンフォニーと同時期に書かれた充実した内容が
ピアニスティックに再現されていて、とても好きな作品です。
 
劇的な性格と深い精神性をダイレクトに伝えるのではなく、明るさで包み込むような
優しさが感じられるロンドは、毎回テーマが変奏されるのですが、
モーツァルトが書きだした装飾はすべて異なり、
彼の即興・装飾技法の教科書のようで、他の緩徐楽章にかなり参考になります。


          
 
ショパンはマズルカから即興曲、バラード、ポロネーズ英雄という
作品50から53までの流れを演奏できて、
ひとつひとつの作品の完成度の高さをあらためて感じました。 
 
バラード4番が感動したというご意見がアンケートでも一番たくさんで嬉しく思いました。
本番の演奏は自分自身、正直もっとこう弾きたかったという気持ちもありますが、
ワルシャワ留学時代、恩師のエヴァ・ポブウォツカ先生と一番時間をかけて
弾いてきた作品なだけに、今回演奏できて幸せでした。
 
ポーランドで得たショパンの響き、これからも磨いていきたいと思います。


 


 

今回のリサイタルの曲は、
これからもレパートリーとして弾き続けたい作品ばかり。

 
 



 
この経験を糧に、次の目標に向かってさらに精進したいと思います。


 
 
伝えたい事ばかりで長くなってしまったブログを
最後まで読んでくださって ありがとうございます。
 
 
 沢山のお花をいただきました。お部屋に飾って、幸せです
 
 
 感謝。