先週は、
NHKカルチャー講座とよみうりカルチャー講座にて
ゲスト演奏させていただきました。
NHKカルチャー講座(青山教室)では
ショパン:エチュードop.10 全12曲
よみうりカルチャー講座(錦糸町教室)では
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第10番 op.96と
ピアノソナタ第21番 op.53「ワルトシュタイン」
を演奏させていただきました。
ショパンエチュードを1曲1曲、精一杯弾いていた学生時代には、
これらをまとめてツィクルスとして演奏することは
とても自分には考えられないことのように感じていました。
でも、曲ごとの関連の素晴らしさや芸術性の高さに触れて、
やはり弾いてみたい、と自然に感じるようになりました。
真のレパートリーになるまでに、
多くの時間が必要な作品群です。
全体を通して見えてきた、曲ごとの豊かな個性。
ショパンの音楽的な要求を深く理解して初めて
技術的な難しさを乗り越えられ、
そこから導き出される解釈は、本当に可能性が広がっていること。
時代を超えて、愛される傑作ですが
自身のいまの感性を大切に、新鮮な解釈と洗練された演奏を
これからも目指して弾き続けたいと思っています。
よみうりカルチャー講座は、初めてお邪魔しました。
愛称ビルちゃんは封印して、ここではビルマン先生。
ヴァイオリンソナタ第10番は
音で会話したり、ときに語るように、
アンサンブルする楽しみを弾き手に与えてくれる作品。
聴き手との距離も近く、サロンのようなあたたかい雰囲気の中、
ヴァイオリンの優雅な音色で包まれる余韻が今も心に残っています。
ヴァイオリン名曲サロンですが、
同じくベートーヴェンのワルトシュタインソナタを
ソロで弾かせて頂きました。
大曲に込められたエネルギーは勿論、
ベートーヴェンのピアノに対する想い、
2楽章から3楽章へ移り変わる瞬間の
暁を思い起こさせる美しい音楽が大好きです。
また聴いていただける日まで、
弾き続け、あたためたいと思います。
素敵な機会を
ありがとうございました。