2023/02/15

大学の実技試験審査



半期に一度のこの機会は、
学生の成果を聴かせてもらう楽しみと、

教えたこと、一緒に学んだことが
どのようなかたちで表現されるのか
見届け、次に生かすことのできる
私にとっても大切な時間です。

今回は初めて、桜美林大学ひなたやまキャンパス内に
新しくできたプロビデンスホールで聴きました。

素晴らしい音響で、
今回はベーゼンドルファーでしたが、
ファツィオリも美しく響きそうです。


ピアノは全員が同じ楽器を奏でるけれど
一人として同じ音色はない面白さ。

その人の個性が鮮明に現れるので、
他の楽器に比べて、公平な審査がされやすいと感じます。

私は、教えることの難しさ以上に
音楽を一緒につくる時間をかけたプロセスで、
上達や驚き、発見を共有できることが
本当に楽しいと思えます。

正解も絶対にひとつではないから
教えることに終わりがないことに気付かされる。

教えることを通して、自分も教わっていることを
すべてに生かしていきたいと思う 今日この頃です。

精一杯、音楽と向き合う人を見ると
素直に思えます。

演奏の喜びを、ひとりひとりが
めいっぱい感じられるように、

また一緒に頑張っていきたいなと、
思っています。





 

ブリュートナーのピアノ


時が経つのは早くて。。
1月半ばのコンサートをあらためて振り返っております。


クローズドコンサートでしたが、
素敵な空間で、ゲストの皆様に見守られながら
演奏ができたこと、とても幸せでした。



 

Bach/E.Petri :Sheep may safely graze 

  from the Birthday cantata BWV208


R.Schumann:Kinderszenen op.15

 1.Von Fremden Ländern und Menschen

  2.Kuriose Geschichte

3.Hasche-Mann

4.Bittendes Kind

5.Glückes genug

   6.Wichtige Begebeheit   

7.Träumerei  

8.Am Kamin

     9.Ritter vom Steckenpferd

10.Fast zu ernst

  11.Fürchtenmachen

     12.Kind im Einschlummern

   13.Der Dichter spricht

      

     F. Liszt:Liebestraume 

 

J.S.Bach/F.Busoni:Chaconne from Partita no.2 in d minor

 

(encore)

R.Schumann : Romance op.28-2

Chopin : Waltz op.64-1

Debussy : Clair de Lune



 

ブリュートナーの楽器の生まれたライプツィヒに 

ゆかりのある作曲家や作品を選びました。 

 

弾かせていただいたブリュートナー、

伸びやかな音色が印象的でした。


ブリュートナーの調律師さん曰く、

柔らかな音色にする為に

調整でハンマーに針を指す作業のことを

ヨーロッパではvoicingと呼ぶそうで、

歌を引き出すようなイメージでしょうか。


音色を均一にするだけではない

拘りを感じました。


ピアニストは自分の楽器を持ち運べない分、

会場でめぐりあうピアノとの出会いが

一期一会の楽しみです。


古くても、楽器を知り尽くした方が

メンテナンスされてるおかげで、

ピアノの音に寄り添うと、自然にどう弾いたら良いか

教えてもらえるような 音楽的な楽器でした。


自分の理想の音楽と、

現実の響きのバランスを

うまく調和させて鍵盤に触れると

最高の瞬間が訪れるのだと


親密な空間でのコンサートは

得るものがたくさんありました。


喜んでいただけたことが

何より嬉しかったです。