2012/06/23

Dresden


コンクールが終わって次の日、参加していた藝大の後輩の亜沙紀ちゃんと、Dresdenドレスデンに行ってきました。Zwickauから電車で一時間半ほど。

エルベ川から眺めた、バロック様式の壮麗な建物が並ぶ街並


ザクセン料理も、滞在中すっかり好きになりました。
Radlerラードラーという、ビールとレモネードをミックスした飲み物に今回ハマリました。
でもohne alkohol(アルコールなし)で。。笑




戦後再建されてよみがえったドレスデンのシンボル、フラウエン教会
明るく神々しい内部は圧倒されます



夕方、ワルシャワでずっと妹のような存在だった有香ちゃんが、はるばる電車で会いに来てくれて、嬉しい再会でした。


Semperoperゼンパーオペラで当日チケットを手に入れて、
モーツァルトのLa clemenza di Tito「皇帝ティトの慈悲」を鑑賞しました。
斬新な演出でしたが、なかなか面白く、オケも見える場所だったので鍵盤奏者と歌手との対話や、アリアで美しく伴奏するクラリネットとオーボエの音色が印象に残りました。




ドレスデンは灯りのともった夕暮れから夜の時間の街が、いっそう素敵でした。

有香ちゃんと夜中おしゃべりをして、途中でさすがにダウンでしたが、、
次の日はちょっと早起きして有香ちゃんを駅まで送り、午前中から、アルテ・マイスターやアルベルティーヌムへ一人でふらっと出かけて、美術鑑賞してきました。
コンクールまで張りつめていた緊張などから解放されて、この数日でリセットされた気がします。




Leipzig


Zwickauツヴィッカウに行く前後、そしている間も、時間をみつけてLeipzigライプツィヒに立ち寄りました。3年前にWeimarワイマールにマスタークラスに来た帰りに初めて行った以来で、懐かしい思い出いっぱいでした。

何度行っても、音楽家にとっては夢のような街だと思います。


トーマス教会前のバッハ様


バッハの眠る場所。

向かいにあるバッハミュージアムも、以前行った時からリニューアルされていて、
実際バッハが作曲したオルガンや、音源や当時の楽器の音色を聴くコーナーや、その他にも色々楽しい仕掛けがあって充実の内容でした。

今回初めて、グラッシィミュージアムにある楽器博物館にも足を運びました。古楽器のコレクションが充実していて、見たこともないような形の楽器に出会い、日本語の丁寧な解説もいたるところに設置してあって、ここに来る日本人は多いのかなぁと思いました。



シューマン、リスト、ワーグナー他偉大な芸術家が通った歴史のあるCoffe Baumで
友達とランチしました。お腹いっぱいになるボリュームだったけど、美味しかったです。



コーヒーの香りがする中も、雰囲気があります。
シューマンが座った席を見つけてみんなで興奮でした。


ライプツィヒのシューマンハウスも、3年前来た時より新しくなっていて、見ごたえがありました。
ピアノコンチェルトの2楽章から3楽章に移る、あのファンタジーあふれる個所の自筆譜。


ライプツィヒ音楽院に向かう路の途中で楽譜屋さんに立ち寄ったり、
ゲヴァントハウスの1階にあるクラシック専門ショップで
CDやポスターをおみやげにして、大満足。
ホールからオケのリハの音が聴こえてきて、贅沢な気分でした。



 ライプツィヒ音楽院に通う、フルーティストのゆりさんに学校を案内してもらいました。
偉大な作曲家が教え、通った歴史のある大学。



ユリウス・クレンゲルさんを発見。作曲家で、ゲヴァントハウスオーケストラの首席チェリスト、そしてここライプチィヒ音楽院の教授もされた方です。音楽院に飾られているクレンゲルさんの使っていた使ったチェロを、現在受け継いで弾いていらっしゃるユルンヤコブ・ティムさんとその息子さんであるアンドレアスさんと、7月15日岐阜の大垣スイトピア文化ホールで演奏会を行います!聴くのが楽しみすぎます!私もここで弾くモーツァルトのコンチェルト、楽しみたいと思います。詳細は私のホームページinformationでhttp://ai-kayukawa.com/information/2012.html
二度とない組み合わせの素敵なプログラムです。

興味のある方は是非聴きに来てくださいね。





2012/06/22

Schumann国際コンクール

昨日ドイツから無事帰国しました。
今日はさっそく時差ボケでお昼は眠気と闘いつつ、大学で教えてきました。自分の研究(コンクール挑戦)に際しドイツにいた2週間分は休講を頂いたので、これから少しずつ補講です。来月は学生は実技試験が控えているので、私も出来る限り、学生と共に頑張ります!


  コンクール会場のNeueWeltホール

前回Zwickauツヴィッカウからブログを更新した通り、シューマン国際コンクールとツヴィッカウについて少し書きたいと思います。私はコンクールは一次、二次と進みましたが、その次のファイナル(オケとの共演)には進めませんでした。結果的には残念だったのですが、それ以上に得たものが大きく、行って良かったと思いました。今回は、新しい曲(初めて人前で弾く曲)も含めすべてのレパートリーを自分の力で仕上げ、先生なしで受けた初めてのコンクールでした。
大きな挑戦で、正直けっこう無茶をしましたが、もしこれでうまくいかなくてもすべて自分の責任。

一人で本当にどこまでできるのかを知っておきたかった

そして、好きな作曲家の曲を、その音楽を愛する人たちの前で、
どこまでも自分の意志と感性で弾いてみたかった

いずれは自分でやっていかなければいけないし、
それができる音楽家になりたいとずっと思っているから

準備をしている期間、それがどれだけ大変なことか、身をもって感じました。そして初めて行く土地で、一流の音楽家を前に、舞台で自分をさらけ出すことの厳しさをあらためて実感しました。

でも、それでも、
ピアノを弾くことをやめられないのです。


練習させてもらったツヴィッカウのRathaus市庁舎内のホール。
一般公開されている場所で弾くので、公開練習?のような形で、人が集まってきて聴いていたりするのですが、弾き終わってふと客席を見たときに、笑顔で何度もうなずいてくださったあのご婦人の顔が忘れられません。


結果後、それぞれ素晴らしいピアニストや著名な教授、音楽家の審査員の方々と、演奏についてたくさん話ができました。一人一人もちろん違った意見で、正反対の意見のこともあります。でも、ちゃんとその時書いた細かなメモを頼りに、その人の言葉で丁寧に話してくれる、その姿勢がこちらにとって、どれだけ勇気づけられるかわかりません。嬉しい意見もあり、またもちろん結果が出なかったときは、それなりの理由があります。自分が感じていることと聴いてくれた人の印象が、あまり違わないことがわかった時、確かな自信と、音楽を通して何かを感じてくれた人に出会えた喜びで胸がいっぱいになります。コンクールですから、それだけでは満足するに至らないのですが、
そういった交流からも、音楽性は育つと思うのです。



シューマンコンセルバトリウム音楽院の入口

ファイナルは5人のピアニストで、全員シューマンのピアノ協奏曲イ短調でしたが、
そのために各々の音楽がくっきりと浮かび上がってきて楽しんで聴けました。審査結果は、一目瞭然でした。シューマンの音が聴こえてきた人が上位入賞でした。
コンクール最後の日、同時に行われていた声楽(リート)部門の入賞者の演奏も聴きましたが、人の心に強く語りかけるリートの魅力を再発見し、心がふるえました。そして一緒に寄り添うピアニストの大変さも。いつかシューマンの歌曲、演奏したいです。


ツヴィッカウのシューマンハウスでこんなことをしてしまいました!クララの手とパチリ。



ミュージアムにはたくさんのシューマンに関する資料や
初版の楽譜、実際弾いたピアノ、写真など、なんだかぐっと身近に感じました。

一次や二次で聴いたピアニストでも、素晴らしい人は実際たくさんいたと思います。どんなコンクールでもきっとそう。でも、素晴らしい人は、必ずどこかで、認められるものだと思います。
続けることが、大事。今はまだ過程に過ぎないと思っています。



日本人のコンテスタントと、アイスショコラでひといき :)
左から夏美さん、亜沙紀ちゃん、私、
深沢亮子先生(恵理子ちゃんの先生で途中から聴きにいらっしゃいました!)、恵理子ちゃん


現地のお客さんに温かい拍手やコメントを頂けたこと、
コンテスタントでもあり、一生懸命自分と向き合い、音楽を愛する仲間に出逢えたこと、
それらすべてが、私の感性に良い刺激を与えてくれました。


次への力になったと信じてます。





2012/06/15

Zwickauより



随分更新に時間がかかってしまいましたが、みなさまいかがお過ごしですか?

私はドイツのzwickauツヴィッカウという街にしばらく滞在しています。ツヴィッカウは作曲家シューマンの生誕地。ここで行われている4年に一度のシューマン国際コンクールを受けています。 http://www.schumannzwickau.de/rsw_klavier_gesang_vorstellung.asp 私は、一次予選でメンデルスゾーンのプレリュードとフーガop.35-3、シューマンのエチュードop.10-2、ショパンのエチュードop.25-11、シューマンの暁の歌op.133を演奏して、無事に二次に進み、昨日二次予選のリサイタルプログラム、ドビュッシーのオクターブエチュード、グリーグのバラードop.24、シューマンのダヴィッド同盟舞曲集op.6を演奏してきました。今日結果が出て残念ながらファイナルには残れなかったのですが、コンチェルト以外に準備したソロレパートリーをすべて演奏できて、自分の音楽としっかり向き合えました。コンクールの結果は一喜一憂するものではないので、うまくいったときもそうでないときも、誠実に受け止めて成長していきたいと思います。今回の機会がなかったら、取り組んだり、楽譜を見る機会もなかったようなマイナーでも素敵な作品に接することができたのは大きな収穫でした。厳しい時間がまたさらに次のステップになると信じて、また新たな気持ちで頑張りたいと思います!

他のコンテスタントや、シューマン国際に関わる人たちとの出会いも、とても刺激的です。毎日、シューマンコンセルバトリウム(音楽院)や、シューマンミュージアムの中にあるホールなどで練習させてもらえて、先日はミュージアムに実際展示されているピアノにも触らせて頂きました。また、一次予選の最中に、審査員の一人balazs Szokolay先生のリサイタルがあって聴きに行ったのですが、リストとシューマン、素晴らしくて、こんな演奏家に聴いてもらえるんだと気を引き締めました。審査中に審査員やコンテスタントの前で演奏できる強靭な精神力も驚きでした。

ここでひとつでも多く、自分にとって新しいものを経験して帰国したいと思います。
また写真と一緒にアップしますね。