2012/06/22

Schumann国際コンクール

昨日ドイツから無事帰国しました。
今日はさっそく時差ボケでお昼は眠気と闘いつつ、大学で教えてきました。自分の研究(コンクール挑戦)に際しドイツにいた2週間分は休講を頂いたので、これから少しずつ補講です。来月は学生は実技試験が控えているので、私も出来る限り、学生と共に頑張ります!


  コンクール会場のNeueWeltホール

前回Zwickauツヴィッカウからブログを更新した通り、シューマン国際コンクールとツヴィッカウについて少し書きたいと思います。私はコンクールは一次、二次と進みましたが、その次のファイナル(オケとの共演)には進めませんでした。結果的には残念だったのですが、それ以上に得たものが大きく、行って良かったと思いました。今回は、新しい曲(初めて人前で弾く曲)も含めすべてのレパートリーを自分の力で仕上げ、先生なしで受けた初めてのコンクールでした。
大きな挑戦で、正直けっこう無茶をしましたが、もしこれでうまくいかなくてもすべて自分の責任。

一人で本当にどこまでできるのかを知っておきたかった

そして、好きな作曲家の曲を、その音楽を愛する人たちの前で、
どこまでも自分の意志と感性で弾いてみたかった

いずれは自分でやっていかなければいけないし、
それができる音楽家になりたいとずっと思っているから

準備をしている期間、それがどれだけ大変なことか、身をもって感じました。そして初めて行く土地で、一流の音楽家を前に、舞台で自分をさらけ出すことの厳しさをあらためて実感しました。

でも、それでも、
ピアノを弾くことをやめられないのです。


練習させてもらったツヴィッカウのRathaus市庁舎内のホール。
一般公開されている場所で弾くので、公開練習?のような形で、人が集まってきて聴いていたりするのですが、弾き終わってふと客席を見たときに、笑顔で何度もうなずいてくださったあのご婦人の顔が忘れられません。


結果後、それぞれ素晴らしいピアニストや著名な教授、音楽家の審査員の方々と、演奏についてたくさん話ができました。一人一人もちろん違った意見で、正反対の意見のこともあります。でも、ちゃんとその時書いた細かなメモを頼りに、その人の言葉で丁寧に話してくれる、その姿勢がこちらにとって、どれだけ勇気づけられるかわかりません。嬉しい意見もあり、またもちろん結果が出なかったときは、それなりの理由があります。自分が感じていることと聴いてくれた人の印象が、あまり違わないことがわかった時、確かな自信と、音楽を通して何かを感じてくれた人に出会えた喜びで胸がいっぱいになります。コンクールですから、それだけでは満足するに至らないのですが、
そういった交流からも、音楽性は育つと思うのです。



シューマンコンセルバトリウム音楽院の入口

ファイナルは5人のピアニストで、全員シューマンのピアノ協奏曲イ短調でしたが、
そのために各々の音楽がくっきりと浮かび上がってきて楽しんで聴けました。審査結果は、一目瞭然でした。シューマンの音が聴こえてきた人が上位入賞でした。
コンクール最後の日、同時に行われていた声楽(リート)部門の入賞者の演奏も聴きましたが、人の心に強く語りかけるリートの魅力を再発見し、心がふるえました。そして一緒に寄り添うピアニストの大変さも。いつかシューマンの歌曲、演奏したいです。


ツヴィッカウのシューマンハウスでこんなことをしてしまいました!クララの手とパチリ。



ミュージアムにはたくさんのシューマンに関する資料や
初版の楽譜、実際弾いたピアノ、写真など、なんだかぐっと身近に感じました。

一次や二次で聴いたピアニストでも、素晴らしい人は実際たくさんいたと思います。どんなコンクールでもきっとそう。でも、素晴らしい人は、必ずどこかで、認められるものだと思います。
続けることが、大事。今はまだ過程に過ぎないと思っています。



日本人のコンテスタントと、アイスショコラでひといき :)
左から夏美さん、亜沙紀ちゃん、私、
深沢亮子先生(恵理子ちゃんの先生で途中から聴きにいらっしゃいました!)、恵理子ちゃん


現地のお客さんに温かい拍手やコメントを頂けたこと、
コンテスタントでもあり、一生懸命自分と向き合い、音楽を愛する仲間に出逢えたこと、
それらすべてが、私の感性に良い刺激を与えてくれました。


次への力になったと信じてます。