2014/11/26

合唱団MORZの演奏会

 
先週の日曜は、MORZさんの演奏会に出演してきました。
 

 
日吉駅を降りると、慶應大学のいちょう並木がきれいでした。

 
 
 
リハ中
 
 
キャンパス内にある藤原洋記念ホールは初めてでしたが、
響きの良いホールで、Shigeru Kawaiのピアノも素晴らしかったです。
 

 
本番
 
 

 
1st Stage プーランクのグロリア
もともとはオーケストラと合唱の曲なので、プーランク自身によって書かれたピアノ版は
ダイナミックかつピアニスティック。赤池さんのソプラノソロも合唱と素敵なハーモニーでした。
 
 
私は2nd Stageで 新実徳英氏の混声合唱組曲「幼年連祷」を
石野先生の指揮で演奏しました。

 

 
 
吉原幸子氏の詩は、幼いころの記憶や体験を鮮やかになまめかしく思い起こさせるのですが、
連祷というタイトルからもわかるように、それらの子ども心で感じた自分にはニ度となれない哀しみを‘祈り’として捧げる詩のようにも感じます。
 
「花」「不眠」「憧れ」「熱」「喪失」
 
日本語のことばがついた音楽を奏でると、
言葉の持つイメージがとても個人的なものになって、
音楽の幻想を深く感じられるような。
日本人の感性でしか捉えられないものが音楽を先導していきます。
 
音楽ホールで、組曲を通して演奏すると、合唱とピアノが
とても効果的に響くように創られていることがあらためてわかりました。


 
真剣
 
  
休憩を挟み
 
3rd Stageは、林光氏の編曲による「日本抒情歌曲集」より
 


曲と曲の間にはあたたかい声の語り
 
 
1曲目に演奏した、林光編曲の「早春賦」、私は大好きです。
林光氏はモーツァルト風にこの早春賦を編曲していて、その書き方が粋!
 
「早春賦」は、モーツァルトの歌曲「春への憧れ」K.596との類似性が指摘されますが、
この歌曲の仕上がる数日前に、モーツァルトはその冒頭の旋律を
彼の最後のピアノ協奏曲 変ロ長調K.595の第3楽章の主題に使っています。
 
これがモーツァルトにとって最期の春なのです。
 
合唱の旋律がアカペラで始まり、次第にピアノ協奏曲のようにピアニスティックな伴奏に変化し、
カデンツと書かれた部分で即興的な音楽を奏でます。
 
ピアニストによって全然変化するカデンツ、
毎回少しずつ変えて作曲し、楽しく演奏させてもらいました。
これは好みですが、私はこの曲のカデンツはモーツァルト風が良いように感じます。
 


 
親しみやすい叙情歌曲の数々、
 
最後は武満徹の死んだ男の残したものは
 
でプログラムは終了しました。
 
ピアニストの目線ですが、
2年に一度の、MORZの団員さんの想いの詰まった
素晴らしいステージだったと思います。
 
ありがとうございました。