どうしてもザルツブルク音楽祭でウィーンフィルや内田光子さんが聴きたくて
学生時代1人でワルシャワから来たときは、
隣に座っていたおじいさんに驚かれました。
今回は母と妹と、3人で鑑賞
開演前はドレスアップした人々で華やかな雰囲気
グレゴリー・ソコロフGrigory Sokolovのピアノリサイタルを聴きました。
ずっとライブで聴いてみたかったピアニストだけに、ほんとうに真剣に聴きました。
音への強いこだわり、タッチの鮮やかさ、徹底したテンポ、
構成の明確さ、多声のクリアさ、どれをとっても一流。
ソロでこれだけのことが伝えられることに驚きと発見の連続でした。
J.S.Bach : Partita Nr.1 B-dur BWV825
Beethoven : Sonate Nr.7 D-dur op.10 Nr.3
Schubert : Sonate a-moll op.143 D784
Schubert : Sechs Moments musicaux op.94 D780
決して華やかなプログラムではないけれど、じっくりと聴かせてくれる演奏。
素晴らしい時間でした。
アンコールは嬰ハ短調のショパンのマズルカが3曲、雨だれ等。 研ぎ澄まされた曲が
並びました、5月に私もリサイタルで取り上げたop.50-3も演奏してくれて、また感激。
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翌日はブダペストフェスティバルオーケストラによるバルトーク作品、
ピアノコンチェルト3番、マーラーの交響曲4番を聴きました。
ソリストのブロンフマンの演奏は、前日とは全く質の異なる華麗な音色で、
オーケストラの生き生きした演奏とともに聴衆を沸かせていました。
アンコールに弾いてくれたプロコフィエフのソナタ7番の3楽章は圧巻でした。
会場を出てホテルまで歩いて帰る途中、モーツァルトのオペラ魔笛が
大スクリーンで上映されていました。ちょうどパパパのあたりで、
しばらく聴き入りました。
屋外でも沢山の人が、思い思いにくつろぎながらオペラを楽しむ、
夏の音楽祭ならではの雰囲気です。
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次の日はべッリーニのオペラ「ノルマ」を観ました。
チェチーリア・バルトリの声の表現力に
ずっと惹き込まれました。
演出は物語の舞台とは異なる現代風で斬新でしたが、
ノルマの民衆を率いる気高さや、子供を想う母の気持ち、女性として魅力を
それぞれ演じ分け、こまやかな感情ひとつひとつを大切に歌う姿に心打たれました。
恵理子もソプラノで舞台に立つ身として、感動し多くを学んだと言っていました。
是非これからに生かしてほしいです。
夢のような音楽祭の時間でした。