2009/06/30






言葉が要らないというのは、こうゆうことでしょうか。











ふと飛行機の窓から外を眺めると、こんなに美しい景色が見えました。









いつも上を向いてしか見られなかった雲が、下に見えるって不思議です。機内で過ごす時、ちょっと外を見ることも忘れないでいたいなと思いました。

Guest

先生のお宅にはよく人が出入りしますが、ゲストも泊まりに来ます。ワルシャワで演奏会のあるピアニストが滞在することもしばしばあり、先日は、ピアニストのNelson Gerner(ネルソン・ゲルナー)さんが滞在されました。たびたび来日もされていて、先月はNHK交響楽団とBrahmsのピアノ協奏曲第2番を演奏されたそうです。今回は、Blogでもご報告したWroclawで聴いたソプラノ歌手のクージャックさんとChopinの歌曲のレコーディングのため、ワルシャワに数日間滞在されました。2人とも素晴らしい音楽家なのでCDが待ち遠しい!

ある日stanislawさん(Ewa先生の旦那様です)とGernerさんと朝食を一緒にいただきました。日本食がお好きで味噌スープやてんぷら、寿司もとってもおいしい!とおっしゃってました。一緒にルービンシュタインのモスクワでのライブのDVDを観て、ワルツやポロネーズの80歳とは思えない豪快で個性溢れた演奏に、一緒に興奮していました!演奏で元気をもらうってすごいことだなと感じ、私もそのくらいの年になってもピアノを弾いていたいと思いました。Gernerさんはまた8月にワルシャワで行われるFestivalに出演予定なので、また会えるのを楽しみにしています!

2009/06/23

プチ旅行

先日、 Stanislawさんから、ポーランドの南の方にあるLodz(ウッヂ)とWroclaw(ヴロツワフ)という所に演奏会を聴きに行かないかと言われ、いつですかと尋ねると、今日あと1時間後に車で出発だと言われ、ゆっくり過ごそうと思っていた休日でしたが、思い切って出かけることにしました。
Warszawaから車で3時間ほどで、Lodzに到着。

20日は、Piotr Anderszewski(ピョートル・アンデルシェフスキ)さんのピアノリサイタルでした。たびたび来日もされていて、ポーランドの作曲家シマノフスキを録音したCDに感銘を受けたことがあるのですが、今日はLodzに新しくできた、Artur Rubinsteinアルトゥール・ルービンシュタイン(ポーランドの大ピアニスト)の名前のついたコンサートホールで、生で演奏を聴くことができました。Piotrさんは、ワルシャワから一緒に出かけたStanislawさんの教え子だったそう。演奏会後、関係者のお食事になぜか私も参加させていただきましたが、、終始緊張しっぱなしでした。 でも、とても気さくで彼の周りに人が集まるのもわかる気がしました。


次の日の朝、ピオトルコフスカ通りにあるルービンシュタインの銅像と一緒に記念撮影をしました!
満足しながら車へ戻ると、いつも持っているハンドバックがないっ!銅像前に忘れてきたのです。 お財布も手帳も家の鍵も、とにかく貴重品がすべて入っているバック。自ら置いてくるなんて、どれだけぬけているんだろうと、半泣きで銅像前に戻ってみると・・・

なんと写真を撮っていた姿を隣のCafeで見ていた人が、バッグを持って待っていてくれたのです。幸運すぎる!! ルービンシュタインもきっと天国でほほえんでくれたでしょう。君は今すぐ宝くじを買った方がいいよ笑、とStanislawさんに言われましたが、それだけ、この国で貴重品を道に置いたら戻ってくる可能性は少ないのです。この失敗のおかげで目が覚めて、しっかりしなきゃと痛感いたしました。待っていてくれた心やさしい方、本当にありがとう。

その後車で4時間ほどで、Wroclawに到着しました。演奏会までの時間は、旧市場広場に出かけました。Wroclawは13世紀にはモンゴル人に支配され、14世紀にはハプスブルク帝国の一部となり、1945年まではドイツの一部だったという複雑な歴史を持つ町です。
大きなデパートやカフェの並ぶ通りを抜けると、中世の香りが漂う街並みが広がってきます。右の写真は、後期ゴシック様式の市庁舎。この日は日曜で、人がいっぱいでした。
左の写真はマリー・マグダレニー教会、天井が高く、音響がとても良いため、宗教曲をレコーディングする際に使われたこともあるそうです。とても素敵な雰囲気でした。

21日の演奏会場はWitold Lutoslawski(ヴィトルト・ルトスワフスキ)という、ポーランドの作曲家の名前のついたホールで、満員のお客さんでした。ソプラノのAleksandra Kurzak(アレクサンドラ・クージャック)さんとブロツワフバロックオーケストラの演奏で、前半が彼女のMozartのアリア、後半がBeethovenの交響曲第3番でした。Kurzakさん、とっても美しい声でチャーミングな方で、もっと聴きたいと思える演奏でした。人間の声というのは、こんなにも胸に突き刺さるものなんだなとあらためて、歌のようにピアノも演奏したいと思いました。

演奏会が終わって、ホテルに戻ると、私のサンダルは石畳を歩きすぎて皮紐がちぎれていました。あーいろんなことがあったなと、風のように過ぎた2日間の出来事を思い出して眠りにつきました。
                     

2009/06/20

毎日の楽しみ

1日のうちに必ず、何かを‘楽しむ’時間をつくりたいと思っています。

新しいことをしてみたり、気分転換に出かけたり、、毎日特別なことはできないけれど、私にとって欠かせない‘楽しみ’は、お茶の時間です。疲れた時、元気がない時も、何か甘いものとそれに合うお茶があれば幸せになります。

それが人と一緒だといっそう楽しくなります!

数日前から、同じエヴァ先生門下で芸大の先輩にあたる根津理恵子ちゃんが、ヨーロッパ内でのコンサートの為にここに滞在しているのですが、最近はお互いの練習が落ち着いたころ、一緒にお茶をしています。

 今朝はJolaさんが焼きたてのケーキを持ってきてくださったので、さっそくいただきました!イースト菌を使ったケーキで、思ったより膨らまなかったわ、とおっしゃっていましたが、ドライフルーツと砂糖がけの甘さがちょうど良く、本当においしか
ったです。今度レシピを教えてもらって自分でも作ってみたいと思います。

  ちなみに、白地に紺色の模様のついたこの食器たちは、ポーランド製の陶器なのですが、ぽってりしたデザインで手になじみ、素朴な可愛さがあるので、とっても重宝しています。配色はシンプルでも本当にたくさんの模様のヴァリエーションがあり、お店に行って見ているだけでも楽しいです。民芸のお店に行くと見かけることも多いのですが、私のよく行くお気に入りのお店があるので、興味のある方はのぞいてみてください。
http://www.anko-pottery.com.pl/  このお店はエヴァ先生から理恵ちゃんに、そして理恵ちゃんから私に伝わった、とっておきの場所です。 

理恵ちゃんと音楽の話からポーランド語のこと、そして人生論まで、いろいろなことを話すのも、今は本当に‘楽しみ’のひとつになっています。

2009/06/14

Exam


無事終わりました。。。今回の試験は、1年に1度、学期末に(こちらの学期末は6月)、1年間学んできたレパートリー(勉強して演奏することのできる曲)を披露します。約50分のプログラムを用意して、当日用意した中から30分くらいのプログラムを指定され、演奏します。
ポーランドに来て初めての試験で、気負いもあったのか、思ったより緊張しているのが自分でもわかりましたが、舞台に上がってから、「この曲とこの曲弾いてね!」とか、「愛!あと数分待って!」と、ホールの2階から叫ばれ(笑)、和やかな雰囲気で始まりました。
今日演奏したのはMozartのAdagio h-mollとChopinのSonataNo.1 c-mollでした。Mozartは、モーツァルトコンクールでも弾いた思い入れのある曲で、モーツァルトの書いた唯一のh-mollであり、またどういった経緯で書かれたかわからない謎の多い曲ですが、晩年に残された傑作です。1音1音がゆっくりと語られる中に、決して大げさではないけれど、苦しみ、痛み、孤独、そして祈りが曲を通して現われ、シンプルな音の中にドラマを感じます。ChopinのSonataNo.1はショパンがこの音楽院に通っていたころの習作ですが、ショパン独特の転調やひらめきが随所にみられる作品です。

今日の演奏はというと、、、満足には程遠い演奏でしたが、自分をコントロールすることのむずかしさをあらためて実感しました。本番は普段からは想像できないようなことが起こるのが、おもしろさでもありこわいところなのですが、弾いていてふっと現実に戻ったり、瞬間的に音楽が止まってしまうという恐怖を感じてしまってからは守りに入り、楽しむ余裕がなくなってしまいます。逆に演奏中、インスピレーションが突然湧いてきたりしてこの上なく楽しい時もあり、同じ演奏は2度とできないものだと思います。言葉として理解するのと、実感として理解するのでは大きな違いがあります。自分の中の価値観が崩れたとき、また新しく自分探しが始まるような気がします。

演奏後は、友達の顔を見てほっとしました。一緒に、大学からすぐのNowySwiat通りのレストランにお昼を食べに出かけて、楽しく過ごしました。写真左がRifaちゃん、右がAyaちゃん。二人とも昨日試験が終わって、今日も大学に聴きに来てくれました。ありがとう!

2009/06/13

散歩道

ワルシャワの家にいると、よく鐘の音が聴こえてきます。どこか近くに教会があると思っていましたが、ずっとそのまま探せずにいました。やっと今日、機会があって場所を教えてもらったので、気分転換に行ってみることにしました。

家からトラムで2駅、サイクリングコースにもなっている森が見えてきました。この季節の緑はどこも本当にすがすがしい美しさで、ざーっと駆け抜ける風も、葉っぱの香りをふくんでいるような気がして癒されます。少し丘になった場所に大学と隣合わせで教会がありました。夕日の光の差し込む教会は人気もなく、静けさに満ちた空間で、キリスト教ではない私も自然と祈りたくなる場所でした。教会を出たところに、空に向かってのびる不思議な形をした階段を発見!これを作った人は、空に向かっていく気持ちを表現したかったのでしょうか。。


散歩は、目に留まるものすべてに新鮮な喜びがあります。

小雨がぱらつきだしたのですが、そのおかげで空にはきれいな虹がかかっていました!うっすらだけど見えますか?右の方に写っている木でできたキリンは、子供のための大きなおもちゃのようです。素朴でかわいい!小さい頃、木でできたおもちゃが好きだったこととか、何年か振りに思い出すようないろんな記憶が蘇ります。


帰り道は、来た道ではなく、ぐるっと森の中を寄り道しながら帰ったのですが、途中ですごーくいい香りが!私の大好きなジャスミンが壁一面に咲いている場所を見つけて、幸せになりました。
明日は留学1年目を締めくくる実技試験!良い1日になりますように。。。


2009/06/10

Warszawaより


更新が遅くなりましたが、4日のことからアップしたいと思います。
前の晩にワルシャワに到着したので朝は時差ボケのおかげですっきり目覚めました。日本のおみやげを渡したくて同じ家に住むJolaさんに会いに行くと、「今日は天気もいいし、一緒に出掛けましょう!」と誘われ、夕方から出掛けることにしました。
StareMiasto(旧市街)に行くと、平日なのになんだかすごい人。。。

なぜなら今日は、ポーランドで民主化が完全に実現した20年目の記念日だそう!

人だかりができていたので見てみると、そのチラシをその場で刷っているおじさんがいたので、1枚刷りたてを頂きました。1984年の6月4日に、新たな歴史が刻まれたこと、そして20年たった今日はポーランド人にとって喜ばしい日だったことを知って私も晴れやかな気分になりました。

この日は、ポーランドの国民的詩人アダム・ミツキエヴィッチ像の周りも特別に公開されていました。
20時をすぎてもまだ明るい空の下、芝生に座りJolaさんとポーランドビールで乾杯して、私はワルシャワにいるんだなと実感した1日でした。

2009/06/02

こんにちは

いろいろなことを少しづつここで報告していけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いします!