2009/06/14

Exam


無事終わりました。。。今回の試験は、1年に1度、学期末に(こちらの学期末は6月)、1年間学んできたレパートリー(勉強して演奏することのできる曲)を披露します。約50分のプログラムを用意して、当日用意した中から30分くらいのプログラムを指定され、演奏します。
ポーランドに来て初めての試験で、気負いもあったのか、思ったより緊張しているのが自分でもわかりましたが、舞台に上がってから、「この曲とこの曲弾いてね!」とか、「愛!あと数分待って!」と、ホールの2階から叫ばれ(笑)、和やかな雰囲気で始まりました。
今日演奏したのはMozartのAdagio h-mollとChopinのSonataNo.1 c-mollでした。Mozartは、モーツァルトコンクールでも弾いた思い入れのある曲で、モーツァルトの書いた唯一のh-mollであり、またどういった経緯で書かれたかわからない謎の多い曲ですが、晩年に残された傑作です。1音1音がゆっくりと語られる中に、決して大げさではないけれど、苦しみ、痛み、孤独、そして祈りが曲を通して現われ、シンプルな音の中にドラマを感じます。ChopinのSonataNo.1はショパンがこの音楽院に通っていたころの習作ですが、ショパン独特の転調やひらめきが随所にみられる作品です。

今日の演奏はというと、、、満足には程遠い演奏でしたが、自分をコントロールすることのむずかしさをあらためて実感しました。本番は普段からは想像できないようなことが起こるのが、おもしろさでもありこわいところなのですが、弾いていてふっと現実に戻ったり、瞬間的に音楽が止まってしまうという恐怖を感じてしまってからは守りに入り、楽しむ余裕がなくなってしまいます。逆に演奏中、インスピレーションが突然湧いてきたりしてこの上なく楽しい時もあり、同じ演奏は2度とできないものだと思います。言葉として理解するのと、実感として理解するのでは大きな違いがあります。自分の中の価値観が崩れたとき、また新しく自分探しが始まるような気がします。

演奏後は、友達の顔を見てほっとしました。一緒に、大学からすぐのNowySwiat通りのレストランにお昼を食べに出かけて、楽しく過ごしました。写真左がRifaちゃん、右がAyaちゃん。二人とも昨日試験が終わって、今日も大学に聴きに来てくれました。ありがとう!