2009/06/23

プチ旅行

先日、 Stanislawさんから、ポーランドの南の方にあるLodz(ウッヂ)とWroclaw(ヴロツワフ)という所に演奏会を聴きに行かないかと言われ、いつですかと尋ねると、今日あと1時間後に車で出発だと言われ、ゆっくり過ごそうと思っていた休日でしたが、思い切って出かけることにしました。
Warszawaから車で3時間ほどで、Lodzに到着。

20日は、Piotr Anderszewski(ピョートル・アンデルシェフスキ)さんのピアノリサイタルでした。たびたび来日もされていて、ポーランドの作曲家シマノフスキを録音したCDに感銘を受けたことがあるのですが、今日はLodzに新しくできた、Artur Rubinsteinアルトゥール・ルービンシュタイン(ポーランドの大ピアニスト)の名前のついたコンサートホールで、生で演奏を聴くことができました。Piotrさんは、ワルシャワから一緒に出かけたStanislawさんの教え子だったそう。演奏会後、関係者のお食事になぜか私も参加させていただきましたが、、終始緊張しっぱなしでした。 でも、とても気さくで彼の周りに人が集まるのもわかる気がしました。


次の日の朝、ピオトルコフスカ通りにあるルービンシュタインの銅像と一緒に記念撮影をしました!
満足しながら車へ戻ると、いつも持っているハンドバックがないっ!銅像前に忘れてきたのです。 お財布も手帳も家の鍵も、とにかく貴重品がすべて入っているバック。自ら置いてくるなんて、どれだけぬけているんだろうと、半泣きで銅像前に戻ってみると・・・

なんと写真を撮っていた姿を隣のCafeで見ていた人が、バッグを持って待っていてくれたのです。幸運すぎる!! ルービンシュタインもきっと天国でほほえんでくれたでしょう。君は今すぐ宝くじを買った方がいいよ笑、とStanislawさんに言われましたが、それだけ、この国で貴重品を道に置いたら戻ってくる可能性は少ないのです。この失敗のおかげで目が覚めて、しっかりしなきゃと痛感いたしました。待っていてくれた心やさしい方、本当にありがとう。

その後車で4時間ほどで、Wroclawに到着しました。演奏会までの時間は、旧市場広場に出かけました。Wroclawは13世紀にはモンゴル人に支配され、14世紀にはハプスブルク帝国の一部となり、1945年まではドイツの一部だったという複雑な歴史を持つ町です。
大きなデパートやカフェの並ぶ通りを抜けると、中世の香りが漂う街並みが広がってきます。右の写真は、後期ゴシック様式の市庁舎。この日は日曜で、人がいっぱいでした。
左の写真はマリー・マグダレニー教会、天井が高く、音響がとても良いため、宗教曲をレコーディングする際に使われたこともあるそうです。とても素敵な雰囲気でした。

21日の演奏会場はWitold Lutoslawski(ヴィトルト・ルトスワフスキ)という、ポーランドの作曲家の名前のついたホールで、満員のお客さんでした。ソプラノのAleksandra Kurzak(アレクサンドラ・クージャック)さんとブロツワフバロックオーケストラの演奏で、前半が彼女のMozartのアリア、後半がBeethovenの交響曲第3番でした。Kurzakさん、とっても美しい声でチャーミングな方で、もっと聴きたいと思える演奏でした。人間の声というのは、こんなにも胸に突き刺さるものなんだなとあらためて、歌のようにピアノも演奏したいと思いました。

演奏会が終わって、ホテルに戻ると、私のサンダルは石畳を歩きすぎて皮紐がちぎれていました。あーいろんなことがあったなと、風のように過ぎた2日間の出来事を思い出して眠りにつきました。