2009/08/13

Salzburg音楽祭 Mozart!!

翌朝、また街中を散歩しながらMozart-Matineeが行われるモーツァルテウム大ホールに向かいました。プログラムはオールモーツァルトで、6つのドイツ舞曲KV571、リンツ交響曲C-DurKV425、休憩をはさんで後半が、フリーメイスン葬送音楽c-Moll KV477(479a)、ピアノ協奏曲Es-DurKV482でした。Alexander Lonquichさんが指揮とピアノ演奏(弾き振り)、オケはザルツブルクモーツァルテウムオーケストラでした。左の写真が会場、ロココ調の素敵なホールですよね。オケはバランスのいいアンサンブルで、とくに木管奏者が素晴らしいと思いました。このピアノ協奏曲は、私が初めて取り組んだモーツァルトの協奏曲で、思い出深い曲でした。Alexander Lonquichさんの演奏は即興的なアイデアに満ちていて、とても新鮮でした。


演奏会の余韻で軽やかな気持ちになったまま、会場から歩いてすぐのMozartの住居に行ってきました。ここは、モーツァルトが17歳の時に生家が手狭になったため引っ越しをし、多くの作品が生まれた場所です。フォルテピアノや自筆譜、作曲の勉強に使った本などがとても興味深かったです。ちゃんと日本語のオーディオガイドが用意されていて、母国語があるだけでありがたみを感じてしまいます。


モーツァルトの生まれた家は、旧市街のゲトライゼガッセ通りにあります。 有名な肖像画や作曲で使われたフォルテピアノ、髪の毛(!?)まで、興味深く見学しました。モーツァルトが実際に生きていた人だということを、こうゆう場所に来るとあらためて実感できます。ファクシミリ版の楽譜や大好きなピアニスト、クララハスキルのモーツァルトのCDを買って、帰ってからの楽しみもできて嬉しくなりました。


散歩をしていると、ちいさな発見がいくつもあって楽しいですよね。ザルツブルクの街は、地図にはのっていないような、通りから通りに抜ける小道も、とても趣があります。建物と建物の間に、こんなかわいい場所も見つけました!


この日のハイライトは室内楽のコンサートでした。ヴァイオリンはMark Steinbergさん、チェロはClemens Hagenさん、そしてピアノは内田光子さんです。Mozartのヴァイオリンソナタe-Moll KV304から、Webernのヴァイオリンとピアノのための4つの小品op.7とチェロとピアノのための3つの小品op.11、MozartのピアノトリオG-Dur KV564、休憩をはさんでSchubertのピアノトリオEs-Dur D929。よく考えられたプログラミングですが、前半をひとつのまとまりとして聴かせるように、曲間で拍手をさせない緊張感が流れていて、さすがだなと思いました。とにかく、夢のような音が聴こえてきて幸せでした。。。Schubertはクライマックスにふさわしい熱演で、演奏が終わった瞬間から、ブラボーの嵐。アンコールの演奏の最後の1音が消えた瞬間、「アリガトー!」と会場から聴こえ、私も胸がいっぱいになりました。お客さんがこんなに喜ぶ演奏会ができるって素晴らしいなと感動しながら、私のMozart尽くしの一日は終わったのでした。