2009/08/02

Leipzig


26日から一週間がたってしまいましたが、ワイマールからワルシャワまでの帰り道、マスタークラスで知り合ったピアニストたちとちょっと寄り道をしてLeipzig(ライプツィヒ)に行ってきたのでアップしたいと思います。

この地で活動をした音楽家は、バッハ、シューマン、メンデルスゾーン、ワーグナーなど錚々たる顔ぶれです。今回は、偉大な作曲家ゆかりの場所に足を伸ばすことができました。 写真は左からYuliaとElena。二人とも先日一緒に演奏会に出演しました。モスクワ音楽院の学生で、マスタークラスではゴルノスタエヴァ先生の受講生でした。前日話をしていた時に、偶然にもほぼ同じ予定で彼女たちもLeipzigに行くことが分かり、せっかくだから一緒に観光しよう!ということになりました。不思議な組み合わせですが、3人で交代でカメラを撮りあっこし、日本語とロシア語のガイド片手に、音楽家ゆかりの場所を訪れる楽しい数時間でした。

右の写真はメンデルスゾーンハウスの中庭で。今年はFelix Mendelssohn(1809-1847)の生誕200年で、彼の作品が演奏会で取り上げられることも多い年です。作曲だけでなく絵の才能にも恵まれていた彼の自筆の絵画や、安らかな顔のデスマスクを間近で見ることができ、彼の音楽に共通するうつくしさを見た気がしました。


次はシューマンの家に行ってきました。Robert Schumann(1810-1856)が、妻クララと1840年から4年間住んだ場所で、リストやメンデルスゾーンなど、多くの芸術家がこのサロンに集いました。シューマンの音楽には一度聴いただけでは理解できないような秘められたメッセージがあり、個性的で独特の魅力があります。私にとっては、演奏する喜びを与えてくれる作曲家の一人です。シューマン夫妻が頻繁に使っていたピアノが置いてあり、その時代のものがそのままの姿で残っていることに感動しました。

それから、J.S.Bach(1685-1750)が27年間カントル(ドイツプロテスタント教会の音楽監督)を務めたことで有名な、トーマス教会に行きました。ここにバッハの遺骸が眠っています。バッハ時代のオルガンは残っていないようですが、120年前につくられたものに改良が加えられ、今も残されています。天井が高く、響きのあるこの空間で、カンタータやミサを聴いてみたいなと思いました。

その後、教会を出た正面にあるバッハ博物館に行き、自筆の楽譜や残された当時の資料を見ることができました。歩き疲れたこともあり、しばらくみんなで音源をじっくり聴きました。Leipzigは新しいものと古いものが共存しながら、WeimarやEisenachとは趣が異なる都市という印象でした。音楽家にとっては、永遠に魅力のある場所だと思います。

YuliaとElenaとは、トーマス教会の後、最後に行ったニコライ教会でお別れをしました。お互いの言語も違うため、同じレベルで話せる英語でやりとりでしたが、音楽が好きという共通点が、私たちを結んでくれました。この出会いに感謝しながら、1人でワルシャワの帰路につきました。