2010/02/17

オーケストラの響き

V.Gergiev(ゲルギエフ)指揮 London Symphony Orchestra(ロンドン交響楽団)を聴いてきました。ワルシャワでは初めての公演ということで、フィルハーモニーは満席で立ち見も多く、関心の高さが窺えました。

Programは、B.Bartok(バルトーク)の弦と打楽器とチェレスタのための音楽、 Chopinのピアノ協奏曲へ短調(ピアニストはエマニュエル・アックス)、 I.Stravinsky(ストラヴィンスキー)のぺトルーシュカ 。

素晴らしい演奏は、無音の瞬間も語りかけてくるものです。

そこにいるすべての人たちが息をひそめて聴き入る緊張感が、指揮者がふっと手をあげた瞬間から、音が無くなるまで、途切れることなく続いていました。

指揮者は、シェフのようなものです。いくら良い素材がそろっても、それをどう扱うかを知らなければおいしいものができないのと同じで、それぞれの楽器を熟知した素晴らしい奏者から、どのように音を引き出し仕上げていくかに、指揮者の腕とセンスが問われます。でも、さすが。ロンドンフィルの奏者達の素晴らしさは言うまでもなく、あの多彩な音色と響きはまるで魔法のよう!本当にわずかな音のバランスで、音楽の表情は全然変わってきます。そうゆうものの積み重なった音の綾は、信じられないくらい大きなものとなって聴き手に訴えかけてきます。

どんなにf(フォルテ)でも、決して大き過ぎるということはなく、“強さ”が増しているという印象。言葉にすると簡単ですが、実際そう聴こえるように奏でるのはとても難しいことです。素晴らしいオーケストラを聴くと、その瞬間に響きあう音のうつくしい“バランス”が、より一層わかる気がします。

アンコールはプロコフィエフのロミオとジュリエット。最後までわくわく、会場も興奮冷めやらぬスタンディングオベーションでした。

個々の奏者が本気で演奏したときに生まれるあの目に見えない“何か”に、心の底から元気をもらえました。