2012/08/17

Master Class at Keszthely


8月も半ばを過ぎましたが、猛暑の日々ですね。

私は先日、ソコライ・バラシュ先生というピアニストのマスタークラスを受講するため、ハンガリーへ行ってきました。先生とは今年6月シューマン国際コンクールで知り合い、そこで聴いた演奏が私にとって衝撃的な素晴らしさだったので、レッスンにも興味が湧いたのです。
今回はツヴィッカウで一緒だった藝大の後輩・五味田恵理子ちゃんと日本から出発。

ブダペストへ向かう乗り継ぎの空港で、偶然にも藝大の渡辺健二先生とお会いし、ブダペスト市内までご一緒させていただきました。なんて幸運!
ブダペストに到着してから、初めて訪れるハンガリーで右も左もわからない中、切符の買い方や電車の乗り方など、役立つ情報を教えて頂けて、本当にありがたかったです。しかもソコライ先生とはリスト音楽院でほぼ同期だったそうで、世間は狭いなあと感じました。

 

翌朝Keszthelyケストヘイというマスタークラスが行われる場所へ電車で向かいました。
ブダペスト南駅から約3時間。
車窓から、美しい水色のバラトン湖が見えてきた時は二人で歓声でした!


 



マスタークラスの会場は、Festetics Castleフェシュテティッチ宮殿という白亜の美しいお城で、
建物中央にあるサロンで毎日レッスンがありました。

天井が高く、響きもやわらかで、気持ち良くピアノの音に耳を傾けられます。





先生のレッスンは、なんといっても先生が弾いてくださる音楽の説得力がすごくて、
言葉はいらないと思ったほど。聴き方、耳そのものが変わってくる感じがしました。

自然体で伝えながら、音楽に妥協がないって、できそうでなかなかできないことだと思います。
私にとって、教える立場になって初めて受けたマスタークラス。
個人レッスンで教わったことは勿論、聴講をして、その教え方にも感銘を受けました。


いつかこんな伝え方やアイデアが自分の中から湧いてくるといいなぁ。


ハンガリーのリゾート地、ケストヘイ。
しかし、最初の数日は日本に負けない猛暑で、クーラーもなく窓も開けられない音楽学校でさらうのは一苦労。。でも朝と夜はカラッとして過ごしやすかったです。
同じ部屋で住んでいた友人がテーブルに置いていた一皿のポテトチップスが3、4日経ってもパリパリと音をたてていたのでびっくりしました笑





お食事やお部屋はシンプルでしたが、宮殿の一部に住むのは優雅で贅沢な経験。

自分のレッスンがない時は、各国から集まった他の受講生の聴講したり、
近くの音楽学校で練習させてもらったり、街を散策したり、いろんな国籍の受講生と話をしたり、
 
 
ゆっくりと時間が流れる中で過ごしました。








環境にも慣れてきた頃、宮殿から歩いて30分くらいのバラトン湖に受講生何人かで出掛けました。水平線の向こうに丘が見えて、これは湖だとわかるのですが、本当に広い。
中欧最大の湖だそうです。


 



波もなく静かな湖岸では、くつろいだり、思い思いに泳いだりする人たちの中で、
私は足だけパシャパシャ・・・でもみんなで写真をいっぱい撮りあって、楽しく過ごしました。






水に反映された夕暮れの空色
美しかったです。





フェシュテティッチ宮殿はケストヘイの観光名所で連日たくさんの観光客が来ていたのですが、
私もレッスンが終わったある日、友人と博物館見学ツアーに参加してみました。

フェシュテティッチ家は17世紀にクロアチアから移住してきた貴族で、建物内部の肖像画や調度品のある美しい間を順々に見て回りました。


 



中でも印象に残ったのがヘリコン図書館。
9万冊はあると言われている、分野別に天井近くまで並んだ蔵書。
戦争の時代にも大切に保管され、今でも現役の本たち、ずっと受け継いでほしいと思いました。






リハーサルにて

マスタークラス最終日、午前中はグリーグのバラードをレッスンで見てもらい、午後からリハ、
そして暗くなり始めた頃、ガラコンサートが始まりました。先生と受講生11人による演奏会。

はじめに先生がメンデルスゾーンの無言歌より3曲を演奏し(来月全曲レコーディングがあるそうです)、次にシューマンの暁の歌より3曲を演奏させていただきました。時間的なこともあり3から5曲目を抜粋で、流れは悪くないのですが、いきなりリズミックな3曲目から演奏に入りこむのが難しく、やっぱり5曲すべてで完成された作品なのだと実感しました。その後も先生が考えられた、流れの良いプログラム構成で受講生が演奏してゆき、私は最後にも、リストのラ・カンパネラを弾かせていただきました。。。先生の直後やトリに演奏するのは緊張しましたが、個性さまざまな受講生の演奏を聴くのも面白かったです。





最後に出演者で集合






一緒に行った五味田恵理子ちゃんと。

かわいい見た目からは想像できないくらいエネルギッシュで、のびのびした音楽の持ち主で、
これからが楽しみな若手ピアニストです。
実の妹と名前が(漢字まで!)一緒で、本当に妹のようでした。笑




 


ソコライ先生とパチリ。
終わってからいただいたご高評、嬉しかったです。


自分の音楽を探して
また明日からも精進したいと思います。




2012/08/03

Sonata for Piano and Violin


今日は素敵な会場ムジカーザで、ヴァイオリニストのビルマン君との演奏会でした。
モーツァルト、ベートーヴェン、フランク、どれもヴァイオリンソナタの名曲で、二人の音楽性が問われる、緊張のプログラムでしたが、たくさんのお客様、支えてくださったスタッフのお力で無事に演奏会を終えることができました。ありがとうございました。

ビルマン君とは度々共演させてもらっていますが、回を重ねるごとにわかってくるもので音楽できることは幸せなことだなぁと思います。合わせの時は冗談ばかり・・笑 ですが、演奏すると一変、アーティストの顔が見られて、今回も一緒に弾いていてとても楽しかったです。

終演後、お客様とお話ができて、いろんなご意見を聴かせてもらいました。
今日の経験を励みに、また明日からも精進したいと思います!



お客様から頂いた写真より


夏本番ですね、みなさま、素敵な夏休みを!




2012/07/18

ダブルコンチェルト


先日、大垣にて“2本のチェロ&2台のピアノによるコンサート”無事に終わりました!

愛知室内オーケストラの皆様とのアンサンブル、指揮者の角田さん、そして河村さんとのピアノデュオ、舞台でドキドキワクワクしながら、モーツァルトを演奏できました。
聴きに来て下さったお客様、あたたかい拍手をありがとうございました。

前日のリハから本番まで、あっという間でした。オケとの共演は本当に楽しい。
ソロで本番演奏しているときは、平常とは異なる時間に身を置いていて、
その中を音と共に、むしろ自分が音になって、勇気を持って進んでいる感じがするのですが、
今回のようなアンサンブルの場合はもっと複雑にさまざまな時間が交差する感じ。

良いことだけではなく毎回反省点もありますが、
本気だから、やっぱり楽しいと感じるのだと思います。

 


二人のチェリスト、息子さんのアンドレアス・ティムさん、お父様のユルンヤコブ・ティムさんの演奏も素晴らしかったです。舞台袖で聴いていた時は、チェロの音が床からじりじりと伝わってきました。クレンゲルの2本のチェロのためのコンチェルトは、メロディーラインが常に二人の奏者で弾かれるので、流れがピタッと合った二人の演奏は訴えてくるものがありました。

終演後、ゲスト出演者でパチリ。

             左から、指揮者の角田鋼亮さん、ユルンヤコブ・ティムさん、河村義子さん、私、アンドレアス・ティムさん

 
河村さんは、この演奏会の企画や運営側にも携わりながら演奏もされて、それがどれだけ大変なことか想像できるので。。本当にお疲れさまでした!

今回の演奏会でつながったすべてのご縁、大切にしていきたいと思っています。




2012/06/23

Dresden


コンクールが終わって次の日、参加していた藝大の後輩の亜沙紀ちゃんと、Dresdenドレスデンに行ってきました。Zwickauから電車で一時間半ほど。

エルベ川から眺めた、バロック様式の壮麗な建物が並ぶ街並


ザクセン料理も、滞在中すっかり好きになりました。
Radlerラードラーという、ビールとレモネードをミックスした飲み物に今回ハマリました。
でもohne alkohol(アルコールなし)で。。笑




戦後再建されてよみがえったドレスデンのシンボル、フラウエン教会
明るく神々しい内部は圧倒されます



夕方、ワルシャワでずっと妹のような存在だった有香ちゃんが、はるばる電車で会いに来てくれて、嬉しい再会でした。


Semperoperゼンパーオペラで当日チケットを手に入れて、
モーツァルトのLa clemenza di Tito「皇帝ティトの慈悲」を鑑賞しました。
斬新な演出でしたが、なかなか面白く、オケも見える場所だったので鍵盤奏者と歌手との対話や、アリアで美しく伴奏するクラリネットとオーボエの音色が印象に残りました。




ドレスデンは灯りのともった夕暮れから夜の時間の街が、いっそう素敵でした。

有香ちゃんと夜中おしゃべりをして、途中でさすがにダウンでしたが、、
次の日はちょっと早起きして有香ちゃんを駅まで送り、午前中から、アルテ・マイスターやアルベルティーヌムへ一人でふらっと出かけて、美術鑑賞してきました。
コンクールまで張りつめていた緊張などから解放されて、この数日でリセットされた気がします。




Leipzig


Zwickauツヴィッカウに行く前後、そしている間も、時間をみつけてLeipzigライプツィヒに立ち寄りました。3年前にWeimarワイマールにマスタークラスに来た帰りに初めて行った以来で、懐かしい思い出いっぱいでした。

何度行っても、音楽家にとっては夢のような街だと思います。


トーマス教会前のバッハ様


バッハの眠る場所。

向かいにあるバッハミュージアムも、以前行った時からリニューアルされていて、
実際バッハが作曲したオルガンや、音源や当時の楽器の音色を聴くコーナーや、その他にも色々楽しい仕掛けがあって充実の内容でした。

今回初めて、グラッシィミュージアムにある楽器博物館にも足を運びました。古楽器のコレクションが充実していて、見たこともないような形の楽器に出会い、日本語の丁寧な解説もいたるところに設置してあって、ここに来る日本人は多いのかなぁと思いました。



シューマン、リスト、ワーグナー他偉大な芸術家が通った歴史のあるCoffe Baumで
友達とランチしました。お腹いっぱいになるボリュームだったけど、美味しかったです。



コーヒーの香りがする中も、雰囲気があります。
シューマンが座った席を見つけてみんなで興奮でした。


ライプツィヒのシューマンハウスも、3年前来た時より新しくなっていて、見ごたえがありました。
ピアノコンチェルトの2楽章から3楽章に移る、あのファンタジーあふれる個所の自筆譜。


ライプツィヒ音楽院に向かう路の途中で楽譜屋さんに立ち寄ったり、
ゲヴァントハウスの1階にあるクラシック専門ショップで
CDやポスターをおみやげにして、大満足。
ホールからオケのリハの音が聴こえてきて、贅沢な気分でした。



 ライプツィヒ音楽院に通う、フルーティストのゆりさんに学校を案内してもらいました。
偉大な作曲家が教え、通った歴史のある大学。



ユリウス・クレンゲルさんを発見。作曲家で、ゲヴァントハウスオーケストラの首席チェリスト、そしてここライプチィヒ音楽院の教授もされた方です。音楽院に飾られているクレンゲルさんの使っていた使ったチェロを、現在受け継いで弾いていらっしゃるユルンヤコブ・ティムさんとその息子さんであるアンドレアスさんと、7月15日岐阜の大垣スイトピア文化ホールで演奏会を行います!聴くのが楽しみすぎます!私もここで弾くモーツァルトのコンチェルト、楽しみたいと思います。詳細は私のホームページinformationでhttp://ai-kayukawa.com/information/2012.html
二度とない組み合わせの素敵なプログラムです。

興味のある方は是非聴きに来てくださいね。





2012/06/22

Schumann国際コンクール

昨日ドイツから無事帰国しました。
今日はさっそく時差ボケでお昼は眠気と闘いつつ、大学で教えてきました。自分の研究(コンクール挑戦)に際しドイツにいた2週間分は休講を頂いたので、これから少しずつ補講です。来月は学生は実技試験が控えているので、私も出来る限り、学生と共に頑張ります!


  コンクール会場のNeueWeltホール

前回Zwickauツヴィッカウからブログを更新した通り、シューマン国際コンクールとツヴィッカウについて少し書きたいと思います。私はコンクールは一次、二次と進みましたが、その次のファイナル(オケとの共演)には進めませんでした。結果的には残念だったのですが、それ以上に得たものが大きく、行って良かったと思いました。今回は、新しい曲(初めて人前で弾く曲)も含めすべてのレパートリーを自分の力で仕上げ、先生なしで受けた初めてのコンクールでした。
大きな挑戦で、正直けっこう無茶をしましたが、もしこれでうまくいかなくてもすべて自分の責任。

一人で本当にどこまでできるのかを知っておきたかった

そして、好きな作曲家の曲を、その音楽を愛する人たちの前で、
どこまでも自分の意志と感性で弾いてみたかった

いずれは自分でやっていかなければいけないし、
それができる音楽家になりたいとずっと思っているから

準備をしている期間、それがどれだけ大変なことか、身をもって感じました。そして初めて行く土地で、一流の音楽家を前に、舞台で自分をさらけ出すことの厳しさをあらためて実感しました。

でも、それでも、
ピアノを弾くことをやめられないのです。


練習させてもらったツヴィッカウのRathaus市庁舎内のホール。
一般公開されている場所で弾くので、公開練習?のような形で、人が集まってきて聴いていたりするのですが、弾き終わってふと客席を見たときに、笑顔で何度もうなずいてくださったあのご婦人の顔が忘れられません。


結果後、それぞれ素晴らしいピアニストや著名な教授、音楽家の審査員の方々と、演奏についてたくさん話ができました。一人一人もちろん違った意見で、正反対の意見のこともあります。でも、ちゃんとその時書いた細かなメモを頼りに、その人の言葉で丁寧に話してくれる、その姿勢がこちらにとって、どれだけ勇気づけられるかわかりません。嬉しい意見もあり、またもちろん結果が出なかったときは、それなりの理由があります。自分が感じていることと聴いてくれた人の印象が、あまり違わないことがわかった時、確かな自信と、音楽を通して何かを感じてくれた人に出会えた喜びで胸がいっぱいになります。コンクールですから、それだけでは満足するに至らないのですが、
そういった交流からも、音楽性は育つと思うのです。



シューマンコンセルバトリウム音楽院の入口

ファイナルは5人のピアニストで、全員シューマンのピアノ協奏曲イ短調でしたが、
そのために各々の音楽がくっきりと浮かび上がってきて楽しんで聴けました。審査結果は、一目瞭然でした。シューマンの音が聴こえてきた人が上位入賞でした。
コンクール最後の日、同時に行われていた声楽(リート)部門の入賞者の演奏も聴きましたが、人の心に強く語りかけるリートの魅力を再発見し、心がふるえました。そして一緒に寄り添うピアニストの大変さも。いつかシューマンの歌曲、演奏したいです。


ツヴィッカウのシューマンハウスでこんなことをしてしまいました!クララの手とパチリ。



ミュージアムにはたくさんのシューマンに関する資料や
初版の楽譜、実際弾いたピアノ、写真など、なんだかぐっと身近に感じました。

一次や二次で聴いたピアニストでも、素晴らしい人は実際たくさんいたと思います。どんなコンクールでもきっとそう。でも、素晴らしい人は、必ずどこかで、認められるものだと思います。
続けることが、大事。今はまだ過程に過ぎないと思っています。



日本人のコンテスタントと、アイスショコラでひといき :)
左から夏美さん、亜沙紀ちゃん、私、
深沢亮子先生(恵理子ちゃんの先生で途中から聴きにいらっしゃいました!)、恵理子ちゃん


現地のお客さんに温かい拍手やコメントを頂けたこと、
コンテスタントでもあり、一生懸命自分と向き合い、音楽を愛する仲間に出逢えたこと、
それらすべてが、私の感性に良い刺激を与えてくれました。


次への力になったと信じてます。





2012/06/15

Zwickauより



随分更新に時間がかかってしまいましたが、みなさまいかがお過ごしですか?

私はドイツのzwickauツヴィッカウという街にしばらく滞在しています。ツヴィッカウは作曲家シューマンの生誕地。ここで行われている4年に一度のシューマン国際コンクールを受けています。 http://www.schumannzwickau.de/rsw_klavier_gesang_vorstellung.asp 私は、一次予選でメンデルスゾーンのプレリュードとフーガop.35-3、シューマンのエチュードop.10-2、ショパンのエチュードop.25-11、シューマンの暁の歌op.133を演奏して、無事に二次に進み、昨日二次予選のリサイタルプログラム、ドビュッシーのオクターブエチュード、グリーグのバラードop.24、シューマンのダヴィッド同盟舞曲集op.6を演奏してきました。今日結果が出て残念ながらファイナルには残れなかったのですが、コンチェルト以外に準備したソロレパートリーをすべて演奏できて、自分の音楽としっかり向き合えました。コンクールの結果は一喜一憂するものではないので、うまくいったときもそうでないときも、誠実に受け止めて成長していきたいと思います。今回の機会がなかったら、取り組んだり、楽譜を見る機会もなかったようなマイナーでも素敵な作品に接することができたのは大きな収穫でした。厳しい時間がまたさらに次のステップになると信じて、また新たな気持ちで頑張りたいと思います!

他のコンテスタントや、シューマン国際に関わる人たちとの出会いも、とても刺激的です。毎日、シューマンコンセルバトリウム(音楽院)や、シューマンミュージアムの中にあるホールなどで練習させてもらえて、先日はミュージアムに実際展示されているピアノにも触らせて頂きました。また、一次予選の最中に、審査員の一人balazs Szokolay先生のリサイタルがあって聴きに行ったのですが、リストとシューマン、素晴らしくて、こんな演奏家に聴いてもらえるんだと気を引き締めました。審査中に審査員やコンテスタントの前で演奏できる強靭な精神力も驚きでした。

ここでひとつでも多く、自分にとって新しいものを経験して帰国したいと思います。
また写真と一緒にアップしますね。