2010/03/01

Koncerty Urodzinowe


2月22日から始まったショパンのお誕生日演奏会も、3月1日が最終日。今日は、Zamek Krolewski (王宮)でLeif Ove Andsnes(レイフ・オヴェ・アンスネス)のリサイタルを聴いてきました。

王宮には初めて行きましたが、こんな場所がワルシャワにあったんだと驚くほど、まぶしいくらい豪華な、Sala Wielka(ホール)でのコンサート。

プログラムは、R.Schumann(シューマン)の3つのロマンスop.28、ノヴェレッテンop.21-5、G.Kurtag(クルターグ)の“遊び”(1973年~)から数曲、再びシューマンの子供の情景op.15、Przerwa(休憩)後、Chopin(ショパン)のバラードop.47、ワルツop.70-3、ワルツop.64-2、ワルツop.70-2、ワルツop.42ノクターンop.62-1、バラードop.23 でした。

自分の世界観のある人だなと思いました。非の打ち所のないテクニック、明晰な構成、一つ一つの音に揺るがないものを感じました。生で聴くのは初めてでしたが、すごいピアニストでした。

演奏中、彼の正面から写真を撮ろうとカメラを構えた人がいました。(私はピアニストの背後で聴いていたのでよく見えたのですが)ワルツの途中でふっと音が鳴りやみました。周りは一瞬何事かと、張りつめた空気になりました。アンスネスさんは、カメラを向けたお客さんを、無言で指さし、じっと見つめて数秒。。。 動揺する様子を見せることもなく、ワルツのはじめから弾き始めました。徹底した姿勢を垣間見た気がしました。 あの気迫に満ちた無音は、忘れられません。


この8日間、ショパンの音楽と、さまざまなピアニストに出会いました。

どんなに名声のあるピアニストでも、舞台に立つときは、精神を削るものです。
それはきっと、どんなに経験を重ねても、変わらないと思います。

だからこそ、美しい音楽が生まれた瞬間に立ち会えた時は、心から感動するのだと思います。



2010/02/28

本番


先日の演奏会に引き続き、Dom Poloniiで演奏してきました。

会場に着くと、入口で人が入れてもらえない様子。入口を止めているスタッフにこれから弾くことを告げると、問題があるからお客さんは今入れないけど、とりあえず中に入って、と言われ、会場に入ると調律の音。。この時間に弾いているはずの人が、私もまだ待っているのよ、と控室で待っていました。スタッフに聞いても状況を把握していない様子で、何時に弾けるのか聞く度に、違う答えが返ってきました。日本だったら考えられない、適当さ。

聴きに来てくれた人たちを待たせてしまうのが申し訳なく、演奏前の緊張も重なり、正直、困惑してしまいました。落ち着こうと思えば思うほど、気持ちは焦るばかり。普段だったら、ここは日本じゃないんだから、と思えたはずなのに、精神状態で、受け取り方がだいぶ変わるものです。

久しぶりに外は晴れて良いお天気、日曜のお昼で、旧市街は人でにぎわっていました。でも、外に出ても、なかなか気持ちが晴れません。


そもそも、なぜ演奏前に緊張するのかというと、技術的に完璧に弾きたいと思うがために、自分で自分を追い詰めてしまうことが原因なのかなと思います。




でも、音楽は、そうゆうものとは一切関係ないものです。



私がどんな気持ちであろうと、はじまった音楽は時間の中で流れて行きます。




今弾いている音に耳を澄まして、心にある音をつくって、

あ、楽しくなってきた、

そうやって音楽のことだけを考えた瞬間から、生きた時間になるのだと思います。





そうゆう時間を、少しでも多く、つくれる人になりたいです。

2010/02/23

弾いてきました

リハーサルができると聞いて、夕方ピアノを触りに行くと、何台もテレビやプライベートでカメラをまわしてる人がいて、案の定弾くのもそこそこに、終わったら質問攻め・・・ポーランド語でのインタビュー、とても内容のある話はできませんでしたが、今日のテレビで17時から放送されていたそうで。。。私見てません。。。

Dom Poloniiは白亜の建物で、中は2階まで吹き抜けのフロアにスタインウェイのピアノが置いてありました。よく響いて気持ちよかったです。

リハと演奏会前しか自分で写真を撮れなかったのですが、演奏した時は立ち見も出るほどいっぱいのお客さんからあたたかい拍手を頂き、嬉しかったです。今日お越しくださった方々、本当にありがとうございました。

ただ、今日がオープニングということもあり、ものすごい数のカメラとテレビがピアノの周りを演奏中もうろちょろしていたので、音楽だけにかなり集中しずらい環境でしたが、いい経験になりました。

メトロに乗っても、ショパンに関するニュースが配信されていて、今日はワルシャワ中で“CHOPIN”という言葉、そして彼の音楽に触れた日でした。まだまだこの長いお誕生日は始ったばかり。それだけでなく、2010年も。この年に、ここワルシャワにいられることも、本当に幸運だなと思います。

“najdluzseze urodziny”メインページで演奏の様子がライブ配信されているので、遠くて来れないという方も、是非この変わった演奏会、覗いてみてください。http://www.najdluszeurodziny.pl/


28日、日曜12時からも、ここで演奏する予定なので、今日の経験を活かして、より良い演奏にしたいなと思います!

2010/02/21

najdluzsze urodziny の opening concert


明日(22日)、オープニングコンサートは19時から主催者の挨拶のあと、19:15から20:30の間で9人が演奏するそうです。私はショパンのノクターン作品27-2とバラード作品52を弾くことになりました(今日決まりました笑)。その後、ノンストップで演奏が続いて行くようです。

どんな感じの演奏会なのか、行ってみないとわからないことがありますが、楽しんで弾けたらいいなと思います。Freeの演奏会なので、ワルシャワにお住まいの方は是非、気軽に立ち寄ってみてください。

2010/02/19

ショパンの長ーいお誕生日に

急ですが、来週2月28日ワルシャワで演奏します。場所はul.Krakowskie Przedmiescie 64 のDom Poloniiで12時演奏予定です。プログラムはオールショパンで、

・ノクターンop.27-2 変ニ長調
・マズルカop.33-3 ニ長調
・エチュードop.10-2, イ短調 op.10-5, 変ト長調「黒鍵」 op.25-10, ロ短調
・バラード op.52 ヘ短調

を演奏します。お近くの方は是非聴きにいらしてください。

このコンサートは、“najdluzsze urodziny”(直訳すると“最も長いお誕生日”)というタイトルで、2月22日から3月1日までの期間、アマチュアからプロまで、ショパンを敬愛する人が、ショパンの曲をノンストップで演奏していくという、ちょっと変わった企画です。ショパンが生まれたのは3月1日と言われ、ショパンの母親もずっと手紙でそう書いていたにもかかわらず、出生証明には2月22日と書かれていたことから、この約1週間まるまる、生誕200年ということでショパンの音楽でお祝いしよう!ということらしいのです。詳細はhttp://www.najdluzszeurodziny.pl/で見ることができます。

これとは別の企画ですが、全く同じ期間に、よくここまで集めた!と感心するくらい、一流のピアニスト達によって、ショパンの音楽が毎晩演奏されます。詳しくはショパン協会のサイトでどうぞ http://pl.chopin.nifc.pl/chopin2010/

自分の演奏もありますが、出来る限りこの演奏会にも足を運びたいと思っています。ちなみに、私の出る“najdluzsze urodziny”演奏会は、オープニングコンサート(22日)にも出る予定です。時間は未定。。あと3日後です。。さすがポーランド。







ショパンの音楽におぼれる日々になりそうです。

2010/02/17

オーケストラの響き

V.Gergiev(ゲルギエフ)指揮 London Symphony Orchestra(ロンドン交響楽団)を聴いてきました。ワルシャワでは初めての公演ということで、フィルハーモニーは満席で立ち見も多く、関心の高さが窺えました。

Programは、B.Bartok(バルトーク)の弦と打楽器とチェレスタのための音楽、 Chopinのピアノ協奏曲へ短調(ピアニストはエマニュエル・アックス)、 I.Stravinsky(ストラヴィンスキー)のぺトルーシュカ 。

素晴らしい演奏は、無音の瞬間も語りかけてくるものです。

そこにいるすべての人たちが息をひそめて聴き入る緊張感が、指揮者がふっと手をあげた瞬間から、音が無くなるまで、途切れることなく続いていました。

指揮者は、シェフのようなものです。いくら良い素材がそろっても、それをどう扱うかを知らなければおいしいものができないのと同じで、それぞれの楽器を熟知した素晴らしい奏者から、どのように音を引き出し仕上げていくかに、指揮者の腕とセンスが問われます。でも、さすが。ロンドンフィルの奏者達の素晴らしさは言うまでもなく、あの多彩な音色と響きはまるで魔法のよう!本当にわずかな音のバランスで、音楽の表情は全然変わってきます。そうゆうものの積み重なった音の綾は、信じられないくらい大きなものとなって聴き手に訴えかけてきます。

どんなにf(フォルテ)でも、決して大き過ぎるということはなく、“強さ”が増しているという印象。言葉にすると簡単ですが、実際そう聴こえるように奏でるのはとても難しいことです。素晴らしいオーケストラを聴くと、その瞬間に響きあう音のうつくしい“バランス”が、より一層わかる気がします。

アンコールはプロコフィエフのロミオとジュリエット。最後までわくわく、会場も興奮冷めやらぬスタンディングオベーションでした。

個々の奏者が本気で演奏したときに生まれるあの目に見えない“何か”に、心の底から元気をもらえました。

2010/02/14

WA: HARMONIA 展

ポーランドで日本のexhibitionを見ました。テーマは 和:調和 今日の日本のデザイン。もともと“デザイン”が好きだったことと、日本のものをポーランド人がどのようにみているのか興味があって、友人と日本に興味のあるポーランド人と行ってきました。

柳宗理さんや深澤直人さんのような有名なプロダクトデザイナーの作品をはじめ、日本で目にしたことのある身近なものから、見た目から使い方が想像できないユニークなものまで、いろいろな“もの”が展示してありました。

日本のデザインってやっぱりほっとします。何気なく手にとる“もの”を選ぶ感覚は、根本的には日本でつくられたものに囲まれて育ったことで、自然に養われた感覚からきています。そんな原点を、一気に見た気がしました。
ポーランドで、日本のモダンな“もの”を通じて、精神性が誇張されることもなく素直に伝わっているような気がして、ちょっと嬉しくなりました。日本のデザインを興味深く眺めるポーランド人を見て、アイデアと真心のこもったひとつひとつの“もの”を誇りに思いました。

日本の外側から日本の良さを再発見です。


柳宗理さんのうつくしい言葉


true beauty is not made, it is born naturally.
本当の美は、生まれるもので、つくり出すものではない。





どんなことでも、素晴らしいことというのは、こうゆうこと。 この言葉も、自然に生まれたものなのだと思います。

毎日の小さな感動に、感謝して。 明日もピアノに向かおうと思います。